風の家について
「風の家」は1986年春、井上洋治神父が、日本の文化的風土のなかにイエスの福音が根をおろし、開花することをめざして、若い人たちと共にはじめたものです。その「風の家」の活動の一環として機関誌『風(プネウマ)』が創刊されました。その『風』創刊号には、「風の家」を創めるにあたっての趣意書が次のように掲げられています。
「ヨーロッパの芸術作品にみられるイエスの顔には、それぞれの時代の人たちの哀しみと希望と願いとがこめられているのだときいています。しかしこれは、たんに芸術作品だけに限らず、ひろく信仰生活も、典礼も、求道性(スピリチュアリティー)も、神学も、すべてがその時代時代の切実な思いのこもった”イエスの顔”なのだといえると思います。
ひるがえって日本のキリスト教の現状を振り返ってみると、残念ながら私たちは、ヨーロッパからの借り物の”イエスの顔”しか持っていないと思うのです。それは私たちの切実な思いのこもった顔ではありませんから、私たち日本人の心の琴線にふれないのは当然のことだと思われます。日本人の心の琴線にふれる”イエスの顔”をさがして、一人でも多くの日本の人たちに、イエスの福音のよろこびを知ってほしい、そう願って、この「風の家」をはじめました。
聖なる風(プネウマ)の吹くままに、将来の日本のキリスト教のための、一つの踏石になればと願っています。」
このような趣意に賛同して下さる方々の輪が広がり、この日本の土地にイエスの福音の芽が育ち、一人でも多くの人がイエスの福音による真の喜びと自由と平安とを見いだすことができますように、風の家がその一助となればと願っています。
